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STRAMD(戦略経営デザイン)発進・発信

2010 / 5 /12

4月13日に第1回目の講義(講師:中西)で始まったSTRAMDが、GW前に5回の講義を終えました。この間、内田繁・紺野登・中西元男・福武總一郎(特別オープン講義)と続いた講義の内容は、まさに四者四様、それぞれにご自分の哲学も実績もある人たちですから、聴く側の受講生たちもその内容の複雑系に、簡単には考えもまとまらない状況かと推察します。まさに「いくつも答えがあるからこそ正しい時代」と呼べる現代らしい、人材育成講座の出立(しゅったつ)と言えます。


開講日、教室入口に掲げられる「STRAMDの日」のサイン

30人の受講生(急な海外行きや業務繁忙でスタート後に2人の退講者あり)は、年齢では24才から63才までの広がりがあり、40才前後の人たちが受講生のヴォリュームゾーンといった、まさに働き盛りというか最も仕事の忙しい人たちで中心層が形成されています。これからも波乱の予感はありますが、世界で初めてともいえるこの実験コースに、何とかキャッチアップしていって貰いたいものと期待をしております。


受講生属性資料

バラエティに富んでいるのは年齢だけでなく、MBA・一級建築士・管理栄養士等々と様々な資格の持ち主が多く、自営業から一部上場企業に至るまで自ら経営のトップ層にある人たちも全体の1/3に及びます。もちろん専門領域も実に多様多彩で、中には札幌から通学してくる受講生までいて、「体力と飛行機代が続く限りガンバリます」の言葉には頭が下がります。

STRAMDにつきましては、昨年暮れに開講記念シンポジウムを1回開催したぐらいで大した対外アナウンスもしていないのに、応募動機を読ませてもらうと、この講座開設の理念に呼応する人たちがこんなにもいてもらえたかと、書かれているそれぞれの志望内容に感動を覚えます。
アナウンス機会が少なかったり期間が短かっただけに、見逃された方も多く、事実、来年には是非受けたいとの希望を持たれているとの話を、私自身が直接伺った方だけでもその数は5人を越えています。

こうした講座設立が可能になったのも、桑沢デザイン研究所という教育機関が一般の大学ではなく、専門学校という、いわゆる既存の文部科学省における大学設置基準のような規制を受けにくい組織であったが故の幸運がありました。渋谷と原宿の間にある校舎の立地も良かったと思います。


桑沢外観

「資格よりは実力だ」との思いで、ニュービジネススクールを目指し、「企業経営をデザイン思考する」との目標を掲げてスタートを切ったのですが、最初の段階から、ここまでやる気があって、バラエティに富み、優秀な力量を持った多くの人材に集まっていただけるとは正直考えてもいませんでした。受講生の皆さんの1年後とその将来の活躍や成果が今から楽しみであると共に、大いに責任も感じております。


教室と授業風景

もともとSTRAMD教育の構想は、2008年から桑沢デザイン研究所の所長に就任された内田繁さんが、「日本で最も進んだデザイン学校」を目指しておられると聞き、2009年の新年会でちょっとSTRAMDプログラムの話をしましたら、それを桑沢でやってみようとの話になり、あれよあれよという間に夜間の社会人コースとして開講したという経緯があります。そのようなことでしたので、STRAMDの趣意や必要性が多くの関係者たちに十分に理解されているわけではなかったため、設立発足にいたるまでの内田所長や周りの賛同者達のご努力や熱意には感謝の思いでいっぱいです。

私自身は、実務屋としてデザインの発想や手法を企業経営に採り入れるコンサルティング経験をこれまでに多く積み重ねてきましたし、大学から講義の依頼を受ける場合にも、どちらかというと敢えてデザイン系ではなく経営学部やビジネススクールで、企業経営とデザインの結びつきの大切さや効用につき教えるよう永年にわたり努めてきましたので、立ち上げの実現に関して不安は持っていませんでした。
加えて、この分野の教育プログラム研究につきましては、このたびも講師陣の中核を担ってもらいます金子英之さんや河野龍太さんと長く研究も続けて来ておりましたので、お二人の協力があれば大丈夫と楽観視もしておりました。
ですが、未知の分野の一つの専門コースを起ち上げるということになりますと、やはり実務力や経験を持った多くの専門講師を必要とします。そうした面でも、今回はこの方にと思いお願いをしたどの方にも二つ返事で講義のご了解をいただけたという幸せにも恵まれました。


講師一覧

今さら言うまでもありませんが、今後は国際的に見てわが国の量的な競争力が落ちていくことに加え、これまでのように物づくりや市場経済の発展のみでは進化と言え無くなってきた時代にあって、STRAMDの哲学や手法は、新しい価値創造にとって欠かせない基盤になるであろうと私は考えております。

現代のような時代の転換期にあたり、経済産業省と文部科学省との間では、デザインという分野の今後の教育への活かし方につき、研究が交わされているとも漏れ聞きますし、経済産業省の方からは、STRAMDのような人材育成プログラムが今後もっと出てきてくれることを望んでいるとのご意見もいただきました。
ただ、この分野を実学として教えられる専門家などほとんど存在してないわけですから、こうした講座の増殖は簡単なことではなかろうかとは思いますが、今後目指すべき方向としては確実に一つの重要なディレクションになるであろうと考えております。事実、既に他の機関から連携や提携の申し出もいただいております。

そうした意味でも、今回のSTRAMDの新たなる出発は、産みの苦しみを伴いながらも楽しみであり、デザイン分野そのものが確実に次なる次元へとステップアップし始めたと言えそうです。


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投稿者 Nakanishi : 2010年05月12日 21:06